テキスト2003
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←v14旦白unZN 白色紬花瓶優しい気分で〈表紙の花V花材桃一一月の中旬になると、どの花屋にも桃が目立つようになる。束ねられていると、どの店の桃も同じように見えるが、かなり等級の差がある。色が淡かったり、いけている間に花がポロポロ落ちてしまうのもある。作例の桃は八重咲きで花色も濃くて桃らしい桃の花である。梅、桃、木瓜と並べて思い浮かべると、同じ科の花なので共通点はあっても、それぞれの持味はちがっている。梅には固くて締まった枝に、きりっとした花が咲く。とくに持むした老木に花が一二:輪咲いていれば、それで僚になる。木瓜は気億に屈曲した枝に、梅とくらべて花弁の厚手な花が咲く。桃はまろやかさがその持味である。そのせいか、のんびりと優しい気分でいけていられる発色のいい桃なので紫色のアイリスをそえると、くっきりとかび上がる。そして水際と後ろにモンステラの緑をそ、えると花色が生き生きとしはじめる。花器はこれ以上色をふやしたくないので白を選んだ。アイリスモンステラ一色が浮2 4

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