テキスト2003
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ひと、』ま(第一一一極郵便物認可1985年日月お日)桑原市守慶流いけばなテキスト川号2003年2月i日発行(毎月i回IH発行)桑原専慶流家一応発行雪はあまり降ってくれないホ「ユlキやこんこん、アラレやこんこん。降っても降ってもまだ降りやまぬ。犬は喜び、庭かけまわり、猫はコタツでまるくなるl」ヶ「ヘエlッ。ホッホチャンそんな歌習うたんか」ホ「六才頃に覚えたんやと思う。丁度今のケンチャンぐらいのときかな」ヶ「||?、ホッホチャンも幼稚園へ行ってたんか」ホ「当たり前ゃない!」健一郎は又もや「||?」といった顔で考えこんでいる。そのうちケ「そしたら友達ゃっ」思考回路から時間や年月が抜け落ちてしまっているの、だろうが、六十以上も歳月の差のある孫との会話の楽しさはこういうところにもあるのだと思う。それに「友達ゃっ」とひらめいたとき、どんな私を想い描いたのだろう。五、六才の頃の私には、自分の祖父母が幼い時分、どんな子供だったのか想い描くこともできなかったし、想像することもなかった。ただ幼時の昔話を問いただけのことで終わっていた。健一郎も同じことなのだろう。ヶ「去年北海道のサッポロへ雪祭り見に行ったやろ」定価五OO円『エ円。・\\〈〈三者−WCS£ホ「あの時のこと全部覚えてるかな」ヶ「ムゆきが孟っせ尻行んったら雪ダルマ作って雪合戦しよ」ホ「今年はそんな時間ないし行かれへんと思う。そのかわりに雪合戦のお花いけたげる。ケンチャンも手伝ってね」ケンチャンは、どこかから三人組の雪ダルマをとり出してきた。自分と二人の友達の雪遊びを相復している戸り1しい。雪合戦のいけばなを作ろうとはいったものの具体的にどんなものにするのか見当がつかなかったが、二人であれこれ相談しあっているうちに出来上がったのがこのよ、?な雪合戦いけばなである。私はここ二、一一一年、この頁の花を続けているが、それは私と健一郎の日々の暮らしの一蹴をいけばなという形でスケッチしたものである。こんなことで健一郎がこの世界の美しさに目覚めてくれればという願い、三才から花をいけることに興味を持ちはじめた彼への贈り物でもある。いけばなは、人と人、人と向然とを、思想や哲学を超えて結びつけてくれるものではないかと思う。健一郎も弟の順之助も日に日に成長している。その二人につき合い、それをスケッチすることで私も変わって行くだろう。私自身のためにも続けたい仕事である一gEふODKEnOB

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