テキスト2003
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萄黍(もろこし)〈表紙の花V今から約一万二千年前の石器時代の人々は野生小麦を採集して食べていたが、九千年前になると西アジア(イラク近辺)で畑を作って栽培されるようになった。その後多くの種類が栽培されるようになったが、萄黍の栽培は三千年ほど昔、中部アフリカで始まった。私達には馴染みのない穀類、だが、アフリカでは雪黍の実を硬いて粥にして食べているそうである。背の高い植物で一伝から大きいものでは五なくらいにまで伸びるらしい。作例に使った萄黍もかなり長く一・五存ほどあったが、テキストの写首六にはおさまらないので短く切って挿している。花材としては様々なとり合わせが考えられるが、初冬に紅葉した雪柳に濃赤色と黄色の帯蔽をそ、えると暖かみのある十二月の花となる。花材萄黍雪柳紅葉醤蔽二色花器鉄紬扇査森野泰明作2頁の花〉使った金属花瓶はエジプト産。表面に描かれているレリーフは四、五千年の昔から変わらぬエジプト神話の絵模様である。写真では細かいところが見えないが、手にとってみると、かなり雑な仕上がりである。ピラミッドや石像の大神殿のような大ひかカイロの風〈申2

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