テキスト2003
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五感と情報花材ピメリア鶏頭花器黒色粕魚文角瓶私達は日々五感(視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚)によって様々な情報を得ている。そして情報という単語を辞書的に説明すると、「ある特定の目的について、適切な判断をくだしたり、行動の意志決定をするための資料」ということである。五感の、っち現在最もを亙に資料が入ってくるのは想見と聴覚からである。映像やそれに伴う音声、人々との会話、印刷物を読めば、それが脳に伝わって蓄えられる。それが知識である。頭の中に貯めこまれた知識は多いに越したことはない。だがあまり使いようのない知識が多すぎると、それは唯の物知りにすぎない。反対に与、えられる情報を極度に取拾選択すると短慮な人ということになりかねない。適当な量の知識で良質な意志決定ができれば申し分ないのだが、私達はそのどちらから偽りがちである。とりこんだ情報は自分自身の頭で整理し体系付けられれば、それは理念という次元まで高められるのだがなかなかそこまでは行きつけない。私自身について言えば興味のある情報ばかりを随分貯めこんでしまったが知識から理念への道はまだ数歩を踏み出したに過ぎない。だが面白いものを貯めこんだと苦笑している。11

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