テキスト2003
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uEうだんつつじにしきぎ錦木の紅葉白ひ椿花型草型副流し花器煤竹寸筒十月から十一月にかけて、京都の散歩道には紅葉する草木が多い。気温と晴天に宙宝品れた年は春より華やかな景色にも見える。東山、北山、西山の周辺はとくに鮮やかに紅葉する。そして紅葉の名所になっているところよりも、上賀茂や大原の古い家の塀越しに伸び上がった錦木、満天星、南天などの赤さは、背景がいいのでとくに惹かれる。錦木は東北アジアに分布する落葉低木で、北海道から九州まで自生していて、庭木や公園にも植えられている。特徴としては枝にコルク質のれ鰭が四枚あって、しなやかで生花の花材として扱いやすい。一種いけでもいいが、花型は草の副流しにして留に白椿や水仙、或いは留流しにいけて、控に淡いピンクの小ぶりの菊をとり合わせて、紅葉の色を際立たせたい。6

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