テキスト2003
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宰ポうりひるがお庭の花八蔓梅擬の枝から、ぶらひょんうとたんぶらさがっているのは沖縄の瓢箪の一種で、「オニボウ」の名前で栽培されている。膨らみの部分に突起ができる珍しい瓢箪で、濃い緑色をしている作例の瓢箪は長さ三十?の小型だが、首の曲がり具合と胴の形が面白い。大きいものは一なにもなるらしいが、かなりの重量のある瓢箪がいくつもぶらさがっているところは、さぞ不思議な光景だろう。瓢箪の仲間は瓜科昼顔属の一年草。アフリカ原産と考えられており、日本の縄文時代の員塚からも出土している。実がはじけて色の出た蔓梅擬と黄色大輪の糸菊とを合わせると、秋のみのりを楽しむいけばなになる。花材オニボウ菖議擬糸菊花器深紫粕花瓶宇野仁松作知人の庭から大輪のリコリス(鍾撞水仙)をいただいたので、水盤に低く挿し、リコリスの黄色を鮮やかに見せるために、赤く色付いた錦木も同じように低く前へ出した。そして木賊の緑の線をきっぱりと立て、空間のひろがりをつくり、白花のネリネで他の色を引き立ててみた。庭で咲いたリコリスは花の重みで茎がしなっているので、いける時も倒していけると花がしゃんと見えるその水際の美しさを味わいたい。’mvもどさ〈表紙の花V和則2頁の花V和測う。。2

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