テキスト2002
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らいでんぽくいなびか雷電木H七なな竃かまどななかまどらいでんぱくフランスやドイツ、それから北欧の町には立派な七竃が多い。高さは十五灯、太さは五十社ノぐらいで堂々としている。これは欧州七竃で晩秋に実が熟して真赤になる。北欧ではその赤い実が稲光りと結びつき、ゲルマン神話では雷神に捧げられ、強い霊力のある木とされている。或は洪水に出あった雷神が七竃の枝につかまって命拾いしたというので水難除けのお守りの木でもあるらしい。古いヨーロッパの木造帆船の舶先には人物像が突き出されているが、この盤円飾りも七竃の木で造っていたそうである。日本でも七竃はう別名がある。主として関東地方で通っている呼び々実』が由来ははっきりしていない。明治以前に北欧の伝説的な金削が日本まで届いたとは思えないが、聴ろく瞳ろ細工や彫刻用材としては大変しっかりした堅い木なので、活用では、その強さが力士の雷電為右衛門にたとえられて「需電木」とよばれるようになったともいう。七竃とは「七図鑑に入れても燃え残る」とい、え叩名説が一般的だが、「七竃は炭焼窯で七日間焼くと良い木山灰になる」というところからの名前ということも聞いたが、尤もらしくはあるが、七竃の炭というのを見たことがない。「雷電木」といだがどうよばれているにしても、植物の金剛は昔の人がその植物にどんなことを感じていたのかを知る手がかりになる。名前が人間とのかかわ灼手』伝えてくれているのである。ヨーロッパの七竃は、市街地でも力強く育っているが日本では北山理埠以外はあまり街路で見かけない。里山の木というより山奥の木なのである。私達がいけばなに使っている七竃の多くは中国山脈や四国山脈の山奥の天然材から切り出されてくる。その量はどれくらいなのかは知らないが、開発や環境の悪化で、先では貴重な花材になって行くのではないかと回?っ。作例では季節に合わせて苅薬と鉄線をそえ、竹鍾にいけてみたが、箆花としては最大限の量である。寵の中の竹の落としの内径は六弓ぐらいしかない。それより大きいとわかりきったことだが績が変形したりするので無理な重みをかけるべきではない。苅話市は葉の水揚げがよくないのであまり奨められる花材ではなかったが此頃はその欠点が改良されてきたので配色の上で欠かせない花材となってきた。花材七竃鉄線(クレマチス)坊薬花器竹鍾7

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