テキスト2002
78/144

が〈あじさい夕暮れ時〈表紙の花V和則花器ブルl・ガラス深鉢鮮やかな色彩。光り輝く赤紫色と濁りのない抜けるような青色。リアトリスと青色の額紫陽花をいけていると、いつか見た夕暮れ時の空の色を思い出しました。それは西山に陽が沈んでしばらくした頃、中天を仰ぎ見た時の空の色です。とぎれとぎれに浮かんでいる雲が、山の向こうから届く太陽の光でオレンジ色に輝いています。青い空に浮かぶオレンジ色の雲は気がつくと紫色になり、やがて東の空から夜の色へと変わってゆきます。刻々と変化する空の色。その一瞬に見せてくれる胸の透くような光景。そんな空をまた見たくな内手品した。リアトリスは北アメリカ東部原産で菊科リアトリス属(百合前属)の多年章。穂状に集まった花が上から咲いてゆきます。作例ではリアトリスの花色を集めるように短かめに立て、その足元に青色の額紫陽花をいれてゆきます。額紫陽花は鉢植のものを2鉢使いました。さらに普通の切り枝の紫陽花を加、えてめりはりをつけます。紫陽花は深水で水切りし、葉にも充分水をかけてしばらく休ませてから手早〈いけるとよく保ちますが、2日おきにいけ直します。花材リアトリス額紫陽花紫陽花申句会λ2

元のページ  ../index.html#78

このブックを見る