テキスト2002
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ふといぞうがんHHM叫HHeエ干HHH「花ふたり旅」の器にいける5年前に出版された「花ふたり旅」には、両親が4年の歳月をかけて世界各地で花をいけた記録が、写真と紀行文でおさめられている。私は助手を務めたが、トルコとエジプトの時だけ、お供をしなかった。旅行から帰った両親はへとへとになりながらも、かかえきれないほどの花器をひろげながら興奮冷めやらぬ勢いで旅の話を聞かせてくれた。その中にこの真鎗の器も含まれていた。「花ふたり旅」の中では背の低い方に仙渓がオlガスタと薄紫色の菊科の花をいけて、背の高い方に繋千がニチニチソウと弁慶草をいけている。そしてどちらもエジプトのカイロにあるイスラム地区の墓地で撮影しているが、砂漠の街の墓地にいけられた花からは、独特のエネルギーが伝わってくる。並の神経ではそんなところで花をいけられないだろう。二人の集中力は並はずれている。写真集の花と文は、一つ一つが私にとって二人からの大切な贈り物だ。特にエジプトの二人には励まされる。その大切な器を二っとも使って、太蘭とグロリオサをいけ、花型の対比を工夫した。他の花材にも応用できる花型だと回心う。花材グロリオサ太蘭花器真鍛銀象依花瓶・深鉢二つの10

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