テキスト2002
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年頭慌ただしい年の瀬を越えて、元日一からの三ヶ日、私達は静かに家族だけで暮らす。話題はやはり過ぎた年をふり返りつつ今年の抱負を語句ムロうことになる。昨年は二十一世紀の初年として世界中が未来に対して大きい期待にふくらんだ元旦だったが、アメリカではブッシュ大統領が就任して一年もたたないうちにニューヨークでとんでもない事件が起きた。私達には直接対応することのできない問題であり見守る他ない。だが桑原専慶流一門にとっては有意義な年だった。いうまでもなくそれは十一月の流展の成功である。来場された方々から感想の言亨乞聞かせて頂いたが、それはもしこんな評価が得られたらと心の中で望んでいた内容だった。素晴らしい評価、だがよくふり返ってみると自分の至らなさも深く感じるに違いない。いい評価が得られた、そこで自分自身を見つめなおすことで人々は磨かれて行く。云いかえれば自分の身にまといついていた愚かさという鱗がはがれるのである。今年は与、えられた光をよく見定めて、流内の接接それぞれがより良く花をいけられる年でありたい。二OO二年元日一桑原仙渓3

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