テキスト2002
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花、そして水花菖蒲に利久梅。この季節になると一度は飾っておきたいとり合わせの盛花である。遠く高く限りなく続く青い空と、肌触りのいい風。そんな気持を花で、と回心うなら、花色は少なく、花型も複雑にしない方がいい。淡紫の花菖蒲と真白な利久梅。他に必要なのは広くて色のあっさりした水盤で大きい水面を作りたい。別に凝った花型である必要はない。水面からすっと立ち上がった花菖蒲の姿そのままを感じられるようにいけ、近くで咲き揃った利久梅の一枝をそえればいい。花菖蒲は葉の立ち上がりに乱れを見せず、高さの三分の一ぐらいまでは正面から見て透聞のないように、そして前後の奥行も十分にとる。右前に出す利久梅は、まず余分な小枝は切りとり、枝振りをよく見きわめ、それに従って挿す。次に切りとった小枝を利用して足もとの乱れを覆お、おっ。いけ終ったらきれいに洗った砂利をいれて剣山をかくして水を張る。そのあと五末を抜いて再度歩乞いれればより一層爽やかfぷ盛花として飾ることができる。花材花菖蒲利久梅花器灰白色粕水盤4

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