テキスト2002
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カし霜に耐えているうちに赤茶色に焼木賊水仙花型草型副流し花器梅花皮粕花鉢うすら寒い品有先エ、でも晴れ間からの日射しは二月よりやわらかで暖けた木賊の茎もそろそろ色をとり戻しはじめる季節である。花季の長い水仙も、そろそろ咲き終りかけている。三月。月初と月末では庭の植木や草花は随分様変わりする。それに合わせて私達のいけばなも、とり合わせゃいけ方が少しづっ自然に変わっていく。変わり方は本当に微妙なものである。京都の場合、二月と三月の月間の平均気温の差は僅か三度ぐらいでしかない。向然界の生物はそれを機敏に感じとってその日、その月を生きて行く。木賊は知人の家の庭から。水仙は鉢植を使い、袴の下から切った株は葉を組み直さずそのまま挿している。花の上がっていない三枚株を総囲い、留は葉の長い花什株、控は四枚の低い葉から花の高く上がった株。11

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