テキスト2002
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すすだけやさ阜い猫柳紅椿花型草山田訪問流し花器楳竹寸筒枝垂柳は川岸の土手で細い枝を長く垂らし、猫柳はもっと流れに近寄って河川敷の中で立っている。京都では宇治川に沢山生えているが、冬は山間の川上からの寒々と吹きおろしてくる風、根元は冷たい流れにつかっている。そのせいか、春の萌しをいちはやく感じとって花穂がふくらみ、先裳束を脱いで猫の毛のように柔らかな姿を見せ、まだ冷ややかな川面の景色を和やかに暖める。野生の猫柳、それは柳科・柳属・猫柳とい、ユ子名も与えられている。そして、いつどんな場所で芽吹くのかということを思い返してみると、赤芽柳や行李柳と同じようにいけるわけにはいかない。好きな花材なので時々いけてみるのだが自分ではよくその性質がわかっていても、早春の川辺の情緒をいけこむのはむつかしい。椿も葉まで美しくつややかなのは三月末までである。季の生花としてとり上げてみた。どて6

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