テキスト2002
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(第三種郵便物認可1985年日月お円)桑原専度流いけばなテキスト樹号2002年2刀1日発行(毎月l阿1日発行)桑原導度流家元発行手袋ぬいで春よこい。ホッホチャンは此頃、チビ共二人を散髪に連れて行くのを自分の役目にしている。償支の好みは短かく刈って前髪を立てるアメリカの海兵隊のよ、つなスタイルである。夏なら紺色のTシャツ、冬にはデニムのシャツがよく似合う。散髪屋は百貨店の子供用品売場の欲しいものだらけのフロアーにあるので、散髪に連れて行ってもらうのを嫌がったことがない。アネモネ、菜の花、枝垂柳にそえた手袋にはピlス・マークが刺繍されている。ケンチャンの選んだものである。買ってもらった日の夕方、ホ「ケンチャン、この手袋をホツホチャンのお花にとりムロわせたいからム崎貸してくれる?」定価五OO円ヶ「明日幼稚園に行くまでやったらえ、えけど」ホ「明円はお休みゃないの。そんなら今晩は泊って手袋はめて寝たら?」ということでケンチャンの使用許可がおりた。そしてケンチャンの知っている花の名前に枝垂柳が加わった。だが幼稚園の行き蹄りに植わっている枝垂柳とは関連付けて考えられないみたいである。幼稚園は堀川通に面している。川沿いに多い枝垂柳とチピ軍団。ホツホチャンのいけたこの花に、そんな怠図はなかったのかもしれないが私にはそんな想いが浮かぶ。左の写真は十一月の流展のときの仲よしの二人のスナップ。

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