テキスト2002
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っ・月3末ずえになると少し暖かくなったまだ索、ぃ・・・:・、部屋の中はお℃。外の曇り允エには底冷えが意地悪く屑座る。晴れると北山から寒風が駆け降りてくる。一一月はまだ寒い。私には二月を早春だとは思えない。かな、と聞やっ日もある。だが油断はできない。三月の末に大雪になったりする年もあるのである。まだ寒い外。でもガラス戸一枚でへだてられたお℃の部屋の中では春の花が明かるい表情で香りよく咲いている。ヒアシンスは百合科・ヒアシンス属の花。故郷はギリシア、シリア、小アジアだそうだが、早くから農耕文化の芽生、えた地域である。シリアや小アジアの農耕民はこの花をどう見ていたのだろう。ヒアシンスと名付けられ、神話にとり入れられて私達に親しい花にしてくれたのはギリシア人である。原種の花色は紫だが、赤、白、黄、ピンクが作り出された。いけばなの花材辞典には冬の花となっているが本来の開花期は四月である。麦のような早春の花材だけでなく色彩を主にした現代風な花材として美しく使われることが多い。花材ヒアシンス花器蔓の箆麦菜の花4

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