テキスト2002
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ひゆまるばひ巾ひもフォックスフェイス木枯らしの吹く季節となり、日の暮れも急に早くなってきた。家の中には、眺めていてほっとするような、温もりのある花をいけておきたい。フォックスフェイスはツノナス(角茄子)とも呼ばれ、原産地は熱帯アメリカで、本来は全体に毛や刺の多い低木であるが、栽培されるのは刺のないものがほとんどで、紫色の五弁花のあと写真のような実ができる。フォックスフェイスをオレンジ色の鍋(フランス製)に集めるように立て、えた。白い狐の尾っぽのようなのは花屋でギンギツネの名前で売られていた。後ろに立てた方はパニカムと呼ばれていた。ギンギツネが加わってフオツクスフェイスに尻尾がついたような形になったが、稲科の穂状になった花材は、フォックスフェイスによく似合う気がする。オレンジ色の鍋には、温かい料理を囲む家族の笑顔や、わくわくしながら美味しい料理を待つ楽しみみたいなものが連想される。心和むいけばなをいけて楽しみたい。花材フォックスフェイス花器〈表紙の花〉和則二種類の稲科植物を加銀狐パニカムオレンジ色ホlロl鍋鶏頭とその一族〈2頁の花〉鶏頭の一族は菟科(アマランサセアエ)に分類されている。親類縁者は多く、全部集めると七属八百種が附界中の温帯から軌叫怖に住みついている。私達がよくいけばなに使う鶏頭はケロシア属の花で、原種に近い小さくて先のとがった品種。大頭で秋のいけばな民によく使う種類や槍鶏頭に房鶏頭などがあり、色も白、黄、赤、濃紅色、オレンジ04り合ったりしている品種もある。このケロシア属の他にアマランサス属には葉鶏頭と紐鶏頭がいる。葉鶏頭と近縁らしい丸葉菟属(イレシネ)の葉は黒地で葉脈が赤い。もう一つよく知っている千日紅属(コンブレナ)にはピンク、赤、昔一の,ニ色がある。以上がよくいけばなに使う鶏頭の肉店内だが作例に使ったのは黄花の房鶏頭である。だが予」の房鶏頭は初冬まで咲き残った二本なので、房が大分乱れている。その形に興味をひかれてカトレア、デンファレをとり合わせ、アスパラガスを緑として加えた。無季節の盛花として明るい雰囲気にいけている。花材一屋鶏頭カトレアデンファレ花器陶一屑壷一色がまじ2

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