テキスト2002
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あずき吾亦紅lわれもこうl。読みにくわれい漢字名だが、漢文式に読むと、吾も亦紅となる。「私も紅いのよ」という意味のかわいい名前である。京都の郊外でも、たまに野生しているが、高さは三十今ほどで、花は小豆粒ぐらい。色も紅というよりは褐色に近い。私達が花屋で手に入れる吾亦紅は居間州あたりの栽培品種なので、花の色も締麗で長さも六十日/ほどある。一、二本では鶏頭のような色の強い花にとり合わせると、存在感がうすれる。作例では四本を二段にとっていけ合わせている。鶏頭は、静かな感じの秋草の中では、とくに目立つ色と形をしている。だが東南アジアに野生している原種の野鶏頭はピンクで細長い穂状の花である。時々この野鶏頭が堂名のケロシア(セロシアとも書かれている。)という重刷で売られている。鶏頭と同じ克ひ申科ひのも仲間には紐鶏頭のように細い花が幾本も垂れ下がるものや反対に立ち上がるものもある。作例では色調の強い鶏古原と、可憐な吾亦紅の聞に白菊をとり合わせて、明るい秋の日差しを感じられるような盛花に仕立てた。花材鶏頭白菊吾亦紅花器長方形淡茶色粕コンポートまたこうあか秋紅9

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