テキスト2002
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くわいきんざんじこジヤガタラ金山慈姑H岐噌肥水仙両方ともアマリリスの日本での古名(江戸時代後期)である。金山怒姑は.八三O年に渡来したアマリリスの原種の一つなのだが、何故か慈姑の仲間と間違えられて「金山培鉾仰」とよばれてしまっている。岐噌杷水仙は金山慈姑とは別なアマリリスの原種の一つだが、これには神町芹花科の植物である水仙の親類として当たらずとは云え遠からぬ名前が与えられている。別にそんな古名を知つてなくてもいいのかもしれないが、二百年近く前から日本で「金山慈控とか「佼噌昭水仙」として栽培され、親しんできた花であることは覚えておくべきだろう。主材にアマリリス。そこに渋い感じの梅の苔木、実、菊というとり合わせはあまり例がなかったと田仙う。だが一つの盛花としての品のよさが感じられる。それは濃赤色の落ちついた色調に対する梅の苔木の寂びた古色。そして索、菊のおだやかだがきりっとした季節感がそれぞれの花に生命感を与えたからかもしれない。そこを適確に感じと久示分なものを削りとっていけられた一作である。花材アマリリス梅の苔木実、菊花器灰色紬深鉢9

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