テキスト2001
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夏なつは櫨ぜあ刻ざみ留胴花型副流し二種挿花器煤竹す筒夏櫨は榔燭科・酢の木属の落葉低木で花材として用いられているのは葉が一・五センチから二センチぐらいに締まった品種と、葉が三センチほどの二種がある。京都で好んで用いられるのは葉の小さく締まった方の夏櫨で作例に用いた品種である。だが近年この種類の夏櫨は花屋への入荷は少ない。生花に用いる場合、枝振りがまちまちなので槙や伊吹のように一概にこのような花型にと云えない。作例は夏櫨としては素直な枝振だったが、枝の姿を主にしていけ上げるとこのような副流しとなった。夏の枝が生花の中心線より大きく右に出ていて花型としてのバランスは少し崩れているが物理的な重量のバランスは安定している。前一輪を控にいれて葉色がひき立った。7

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