テキスト2001
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いわゆる花菖蒲太蘭花型二種挿行型花器灰白色軸深鉢私が生花で葉組み物を習い始めた頃、日本いけばな芸術展で、染付の尊型花瓶に太蘭と花菖蒲が一株にいけられているのを見て、これはいいなと戚伊心したことがあった。それ以来太蘭と花菖蒲、或は太蘭と杜若というこ種交挿が気に入って時々いけている。太蘭は真、副、胴のそれぞれの葉組の後に三本づっ挿しているが③図がその配置である。太蘭は花菖蒲より高くのびる。この二種の高さの違いを一株にまとめるのがこのとり合わせをいける面白みなのだが、花と葉組の数が多くなっても、太蘭の本数はふやさない方がいい。太蘭が多くなると、その形が強まって花菖蒲とのバランスが崩れやすくなる。真の高さは太蘭の十に対して花菖蒲が七の割合にする。 02蒲の花茎)業組@働省1レょλJ。かさをもっており、江戸時代の終りの頃には一方に威厳の備わった立花と、又一方には極めて民衆的な親しみを持つ生花が相ともに隆興して独特の挿花の時代を作っております。随って時代のうつり変りによって、挿花の様式にも変遷があることは申すまでもなく、例えばあの立花の如く、かつては極めて一般的に大衆に措辞されておった挿花の様式も現代には殆ど一、二流にのみその形式が残存していて、所謂日本いけばなの骨董品として命脈を保っているような次第でありまして、全くこれは時代によっておきる挿花の変遷の著しい例であさて現今一般諸流派を通じて行われている挿花の様式を考えてみると、大体生花と盛花瓶花と近代的な新しい様式をもっ創作飾花の三つの整入に分かたれると思うのであります。この一一一つの様式の挿花のうち私は生花と新しい創作的な飾花について、ごく大ざっぱなお話をしてみよ、?と悶仙うのであります。古典的な挿花と尖端的な挿花を語るのも面白い対照かもしれません。生花については古えよりあら2ま内冨Jj③ 6

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