テキスト2001
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はい桑原仙渓家元継承初周年記念花洛2001年桑原専慶流いけばな展桑原素子出品作〈9頁の花V入口から約四十μ、幅三幻の紙訟が敷き通されて奥にこの紅葉の大作がいけられている。これが京洛の秋であろう。幅四高さ二・五幻の紅葉、れた大輪の厚咲きは当麻菊。これだけの大作でありながら、殊更に気負うことなく、素直に枝ぶりに従っていけられている。その気持の所為か、この花の前に立つと、ほのぼのした気分で今年の京の秋に見入ってしまう。だが一日で葉が傷む紅葉は毎朝いけ換えなければならない。美しく人の気持を迎える一瓶だが大変な労作なのである。花材満ど天A7だん星つつじ紅葉日によ当たっい麻まて菊ぎ〈七はな出品作「はなの北山しぐれ」というタイトルがつけられている。散り落ちるような、或は雨の滴のようにも見、える鉛の板。よく見ると銀色の線は雨僚となって白いアマリリスに北山からの時雨が降りかかっている。北山時雨はほんの通り雨である。lU世紀から幻世紀へ1μ、青葉。添えら竃紅葉柏黄葉〈表紙の花〉すぐにあがって北の空が澄んだ青みに変わる。花材白花アマリリス花器赤と青のガラス一届壷桑原仙渓出品作〈213頁の花〉この一瓶が私の今年の代表作なのではないかと思っている。或はこの二十年間の集約なのかもしれない。その場を与えられたことに衷心から皆様に御礼を申し上げたい。三年前から企画し、本格的にこのいけばな展の構想にかかりはじめたのは昨年の春からのことである。そしてその場で表現したかったのは花をいける喜び、そして深い心入れが見る人に伝われば、と思っていたが願いは届いたようである。古典そのものとしての立花から、今日を反映させた小品花まで幅広く桑原専慶流の「いけばな」を十七世紀から二十一世紀へと追ってみた。いけばなはこの先、様々な変化を見せるだろう。私自身も僅かな変化の足懸かりを得たいけばな展だった。花材サボテンの枯芯マンザニlタの根ラタニアブルlブラック・シlファンオンシジュlム五種ジャイアント・リリl花器銀彩おりべ柳原睦夫作這杜松(外国産)ねず9

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