テキスト2001
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ふをえ葉蘭花型草型副流し花器灰白色粕花鉢私の家の庭に、大きくはないがしっかりした葉蘭が数ヶ所植えこまれている。葉蘭にとって有難いことに庭木の木陰に植えられているので直射日光に晒されないので一年中深い緑色を保っている。春には細長い筒状の新葉が地下茎から伸び上がってくる。この時すでに葉は右巻きか左巻きになっていて葉の中心から左が広いか右が広いかがきまっていて葉先のねじれ方もきめられている。そこから生花の葉遣いの陰陽が生み出されている。新葉のしっかりする秋になると時々庭の葉蘭を自分用に切っていけてみている。必要なだけしか切らないでおこうとすると、何百枚か生えている中でも、真に選んだ葉にムロう副の葉、留になりそうな葉を探すのにはかなり注窓深く見定めなければならない。手間はかかるが切りたてのしっかりした葉がいけられるので一週間は形が崩れない。作例は、真、真園、見越、副、副の沈み、胴、総囲、留、控の九葉。草型の副流しの花型である。副に形のよい葉を見付け、あとは副に合った葉を選んでいけた一瓶である。6

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