テキスト2001
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せんけいせいかひや〈じせいか索、棲花型草型留流し花器灰青色面取陶花瓶花の中には、一年の中で春と秋に二度花を咲かせるものもあり、又、本来春にだけ花が咲くものでも、返り咲きとか狂い咲きと言って、秋や冬に少しの花が咲くこともある。棲の品種にも、春と秋に二度花を咲かせるものがあり、晩秋の枯れ葉散る季節に、白い小さな花を咲かせた切り枝が出まわる。その頃には近くの棲の木にも返り咲きの花を見つけることが稀にあり、不思議さと心温まる嬉しさを感じる。作例には並昆肢の稽古一束分の量で留流しの花型にいけたが、宝真に撮って見ると、花器に対して花型が少し大きい。真の枝に途中でぐっと曲がりのある枝を選んだのと、留に分かれ枝を使って長く伸ばしているところは参孟匂にしてほしい。副の形は留の伸びに対して、ぎゅっと締まりのある姿にしたい。「専渓生花百事」の寒棲の解説に、「生花は美しく技巧的に作り上げればよいとい、?ものではない。(中略)自然のままの小枝、変化のある枝茎の交叉など、『過ぎざる技巧』ということが大切なのである。しっかりと強く、しかも美しい技術の生花、というのが理想的である。」とある。美しい技術と自然を生かすと心を養うこと。生花は奥が深い。(中略)和則4

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