テキスト2001
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とちうとえばやりかよHぢV通い路〈表紙の花毎月初旬に京都から洛北の八瀬、大原を通って途中峠(栃生峠)をこえ真野(滋賀県)に行く。月に一度というのがいい。めぼしい折々の花も月々に姿を変えるし、道筋も行楽シーズンには雰囲気がちがって見える。今頃は刈田の上を走る風も、涼風から次第に冷たさを増してくる。稽古場の横の畑に植えられている小菊は満開。道をへだてた農家の裏で柿が熟している。表紙に使った柿は真野の瀬津先生のお庭に生ったのを去年の晩秋に頂いたのをいけたのだが、その年テキストの発行に間に合わず一年たった今月号に使った。柿は枝ぶりがいい上に実ると季節に溢れた花材である。この投入でも二、三箇の実をつけた小枝をいけておけばいいのかもしれないが、沢山頂いたので、そのまま花瓶に積み上げて秋色の豊穣さをこの形にまとめてみた。糸菊二色の、?ち緑色の方は、この十/干にらいの聞に栽培がひろまった品種で、緑色といっても葉の緑とは異っているので、その効用を考えながら時々とりムロわせに使っている。花器花材柿菊二色しろかぼちゃえのころぐさ白南2頁の花V瓜科瓜の植〈物には自然悲謹が多いそうである。南瓜もその一例で花屋でよく見る十種類ほどの小型のペポ南瓜はその一部に過ぎないらしい。私の使っている植物図鑑の南瓜の項に、アメリカで栽培されている様々な南瓜の写真が出ている。百個以上収録されているが食用、飼料用の他にかわいい締麗なのも沢山まじっている。作例に使った白南瓜は食用南瓜の一種で上の方は実の直径が十五付ンほど、下は平たくて二十句。はっきりした品種名は知らないが当分は白南瓜で通るだろう。南瓜はご存知の通り南アメリカが原産地で十六世紀中頃南アメリカからカンボジアで栽培されていたのをポルトガル船が日本に持ちこんだ。その後日本でも色々な品種が日本南瓜として育てられてきた。又最近の京野菜流行で昔からの京都特産の鹿ヶ谷南瓜という瓢箪形の品種も出まわりはじめている。使った白南瓜は傷一つない美しいものだったので床の間に暫く彩りとして鶏頭と狗子草をそえて飾っておいたのをそのまま背景を変えて写真にした。花材白南瓜鶏頭狗子草花器一線文足付酒杯薄白斑文花瓶2

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