テキスト2001
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錦木白菊花型副流し二種挿花器淡青色利花瓶枝に粘りがあって折れにくい錦木は携めて形をととのえる技巧を羽息侍するのに大変良い花材である。枝物生花の過程として冬に赤芽柳などで基本構成を身につけ、そのあと機々な花材と出会い、秋に錦木で向由な花型に進んで行ければ申し分ないのだが一年でそれほど多くの技を勉強することは出来ない。毎年同じ季節に同じ花材との一度のめぐり合いを重ねて行くうちに少しづつわかってくるのである。そしてわかるためには前のことをよく覚えていなくてはならない。それが経験というものである。紅葉した錦木の次の季節の枝物花材は多分寒桜になるだろう。錦木と同じように形はつけられないが錦木での経験は寒桜にも生かせる。生かすことができれば上達したということではないのだろうか。生花の稽古は毎年同じことをしているように思えるかもしれないが一年前、年前をふり返ってみてほしい。7

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