テキスト2001
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ぜCただそれがお嵯なりなものであってはならない。枝ぶりと配色、花型と周囲の状況そのとり合わせで良いのかどうかを再考するだけの気持がほしい。松に茸闘機、梅に梼はしきたりのとり合わせである。しかし現代のいけばなとして、その上を越す感覚をどこで造り出すかということをよく考えて花をいけたいということである。盆栽好みのような松のよさよ内ノも風勾の中で新鮮な緑をたたえているような松の本質的な美しさをいけばなで出すようにしたい。しきたりの中の良い面は知った上で、お雌なりないけ方を排除しなければならない。紅葉する。枝物に草花をつける場合は、どこか一つ調子を変えてみるとか、水艦に太附をいける場合にはあしらいに山百合や雪柳(青葉)をそえて慣例のとり合わせを避けるような配慮があってほしい。又年末になると新牛御題のいけばなが方々に出てくるが、「御題」はあくまで和歌の題であって、これをいけばなに持ちこむのは一寸無理なことだと回合ノ。そんな理由でこじつけのような俗悪ないけばなが多い。先代もお正月のいけばなとして、松や梅を主材にしたものを大勢のお弟子さんに教えていたが、趣向を変えて成程そういうことかと思わせるような所があった。それから現在のことに移るが創造を考え、(部屋の様子)一人一人性の尊重と出典的な品位が同店していけばなの価値観がゆれ動いている。そのどちらに傾いても、安易な考えト刀でのぞくと近代性も占典性もただのしきたりに陥りかねない。ただの思いつきにすぎないことを創作と勘違いしたり、新しく輸入された珍しい花材もその来歴をよく知った上でいけたい。まだ柴が聞ききらない容の芽出し頃の木幕。初夏には成長して葉脈がくっきりとした艶やかな緑色に成長し、秋が深まると朱色から濃紅色に紅葉した木喜をいけていると、自然にその春の姿、夏の問中しっかりと開いた葉で日光を、つけていた様チが思いうかんでくる。木基は関東地方より西に自生する需被科・本持属の落葉低木で、小さい白い花が三1四月頃開き、五月にはオレンジ色の実ができる。作例では紅葉の季節感に介わせてめりは占出はじめた秋の小菊。そして花塑と色調に滅張りを利かせるのに鉄砲百合をとり合わせた。大きく成長した木穫の葉は積姿が形良く見える。花材紅葉木毒淡紅小菊鉄砲白合花器黄褐色利水盤木常時も色付いて〈5頁の花V5

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