テキスト2001
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つくばねさんほうげup令そうそろばん’勺きae−−今らん仙人と千鉄線やク鳥レマ和チ則スは金鳳花科の仙人草属(クレマチス属)に属している。仙人草属の仲間は、花の後、種子を風に運んでもらうために、幾本もの花柱が白くて細長い羽毛状に変化する。それが仙人の白髪のように見えるところから仙人草と名付けられたり、又別の種は翁草と名付けられたりしている。作例の丸い綿毛のように見えるのはクレマチスの一種の花の後で、名前はわからないが、枝の先の方に黄色の厚みのある小さな四弁花が、下向きに咲いていた。黄花のクレマチスも珍しいのだが、ここでは花の後の穆毛だけをいけて、別のクレマチスの花を加えた。花器の口元から右前方へ出しているのは衝羽根形のクレマチスで、濃い赤色の四弁花が可愛らしい。綿毛の方は、はじめ銀白色の糸みたいなものが球状に伸び、やがて風によってほぐされ、羽毛状になっていく。羽毛状になるまでの艶のある聞に軽やかないけ方で楽しみたい。赤いクレマチスも綿毛になったクレマチスも、支えの棒に葉柄をしっかり巻きっかせていたが、葉の形はずいぶんと違っている。花器に選んだ細口の銅器には、千すぽまった細長い口と、下方で算盤の珠型にふくらんだ胴、その両一屑に止まっている手色凋のデザインと全体のバランスが大変気にいっている。この器には茎の太い花材は似合わないが、花に力強い動きがないと器の強さに負けてしまう。そこで動きのある緑の葉物として桔梗蘭の斑入り葉を選んだ。結梗蘭の葉株は著義によく似ていて元の方では細くなっているため、細い口の花器にもいけられる。桔梗蘭は東南アジアから日本の南西諸島と西南日本にかけて分布する百合科の植物で、アフリカやマダガスカル島にまで広く自生している。花は淡青色の小型の花が長い茎の先に多数っき日本では夏に開花する。果実は鮮やかな葉青色で光沢がある。葉は艶があり、元の方で両方の縁が合わさった姿をしている。作例には三株の桔梗蘭を使い、葉を少し間引いている。桔梗蘭の葉の中で横姿の一登美しいものを左へ伸ばし、残りを前方と真中上方に出して、葉のカlブがつくる空間が、海岸の岩にあたって砕け散る荒波のような、そんな動きのある線をつくっておいて、クレマチスを波と戯れる千鳥のよ、つに葉の聞に挿してゆく。銅器の千色川も仲間に入りたがっているように見える。花材濃赤色のクレマチス黄花のクレマチスの綿毛桔梗欄の斑入り葉花器千鳥耳付銅花瓶り鳥どの耳がついている。上にゆくほど7 /

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