テキスト2000
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ひとこまろ、っそく桑原留す底流いけばなテキスト制号1985年日月お日第二組郵便物認可2000年8月1口発行(毎月1同1日発行)桑原点度流家一応発行定価五OO円鉄の蝋燭立て・・・:・この器は3頁で素子がガーベラをいけていた蝋燭立てである。細長い三角形の鉄片三枚を丸めて合わせ、真鍛で蝋付けしたものである。全体に凸凹していて鈍い艶があり、凹んだところが黒ずんでいる。そして蝋付けした真鍬の部分が金色に光っている。アイルランドの首都ダプリンの家具屋で二人が気に入って買ったのだがデザイナーの名前も表示されていた。大した品ではないのかもしれないが、方々を歩きまわり、花をいけたりしている間に、この蝋燭立てはやはりアイルランド物かなと点釜石がわいてくる。島の風物、その歴史、国民性。この蝋燭立ては血気盛んなアイリツシユが闘いの果て、傷だらけになりながら威張って立っているような姿を想い起こさせる。私の思い入れは少し大袈裟なようである。帰国してから私もこの蝋燭立てに花をいけてみたくなったのも、そんな想い入れのせいだろう。ベルクレマチスの野生種的な花を見付けたのでとりムロわせてみたが、多分これが今回のアイルランドへの旅の一一蹴を表現しているのだろう。花材ベルクレマチス花器鉄製蝋燭立て

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