テキスト2000
94/145

しVあかふさすぐり酸塊(すぐり)七月になると、赤房酸塊の実が締麗に色付く。薄い皮が果汁でふくらみ真赤なガラス玉のように見える。酸塊属の殆どは落葉性の低示で、ヨーロッパから東へシベリア、東南アジア、中国、朝鮮半卓司北アメリカへと北半球の温帯から実帯にかけて約百五十種ほどが分布している。作例の赤房酸塊はヨーロッパが原産地で食用に栽培されて「レッド・カラント」。黒房酸塊は「ブラック・カラント」。「グ1ズベリl」も同属である。又晩秋に紅葉した細い枝に赤い実の生る薮山査子も同じ仲間である。赤房酸塊はまだ実の淡緑色の頃から花屋で売られているが、やはり真赤に熟してからの方が魅力的である。だが枝が直線的なのでそれほど変った花型にはならない。又夏になって葉が茂り過ぎているが、それは実の色をかくしている葉をとり除けばよその上で実の色がひき立つようなとり合わせを花器まで含めて考える。作例で赤房酸塊の方には紺色のガラス鉢。二瓶飾りとして濃赤色のアスチルベの方には無色の小ガラス器をと灼ムロわせ、二瓶のつなぎとして紺色の敷板で花二色を浮き立たせた。花材花房酸塊アスチルベ花器紺色と盤、色のガラス器8

元のページ  ../index.html#94

このブックを見る