テキスト2000
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ひめさゆりけまんそうけしけまんおとめ申りすがすが議な形をした花である。その花の形姫小百合と鯛釣庭の楓が生い繁ってきた。まだあまり太陽の強い光を受けていない時季に小枝を切ってその緑の清々しきを部屋の中で楽しもう。取り合わせた乙女百合には笹百合の半分くらいの大きさの桜色の花が5輪ついている。乙女百合は別名、姫小百合とも呼ばれ、もともと東北地方の一部に分布していたが今では栽培されたものが出荷されていると聞く。小さ百ゆり合とも呼ばれる笹百合よりさらに小さい乙女百合は、見るからに可愛らしいので、その優しさをこわさないようにいけたい。青色が鮮やかなガラスの小花瓶に楓を1本だけ挿している。花器の口元が見えるように工夫して途中で分かれた枝が前方へはり出すように止めた。この前に出てきた楓の葉が全体の花型に変化を与えている。乙女百合はややうつむいて咲いているので、ほぼ直立させる。楓と百合だけではおとなしす会Cるので、そこにもう1種類、白花の華霊草を加えた。華髭草は芥子科の多年草で中国から朝鮮半島に分布する。日本の高山植物の一つ駒草と同じ駒草属の仲間で、袋状に膨らんだ花弁の中から別の花弁がしべを包んで舌を出したように垂れ下がる。まことに不思が仏具の華撃に似るのでこの名があるが、長くのびた細い茎の先から数草和7 則

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