テキスト2000
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お占なわすずめうりつわぷさひだすきBV・νこの器に花をいけるとすれば、当お湯呑みを〈9アマクリナムをいけたのは備前焼の湯呑茶碗である。備前焼としては丁寧にすっきりとした形に焼き上げられている。それに淡い灰色がかった茶色の地色と赤茶色の火禅の線紋の対比が然小品花ということになるだろう。小品花なら一つだけでもいいのだが、入念に形造られた五個の湯呑茶碗には、焼き上がるまでの過程でそれぞれに思いがけない形の火棒紋が入る。溜塗りの小判型(幅四十円ン)のお盆の上に並べてみると中々いい。権い備前焼だと、とり合わせる花も限定されるが、この備前焼なら朱色のアマクリナムでもいけられそうである。アマクリナムにとりムロわせたのは沖縄雀瓜と石蕗の葉である。この沖縄雀瓜はまだ熟していないので緑色だが完熟すると真赤になる。アマクリナムは日持ちのいい花で毎日水切りと水替えをしていれば菅も咲く。そのうち沖縄雀瓜も色付きはじめるので家族の集まる部屋にいけて見まもりたい小品花である。花材アマクリナム沖縄雀瓜石蕗の葉花器備前焼場杏茶碗頁の花V溜塗盆9

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