テキスト2000
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かんぱんそうほんそうほん現代陶芸にいける〈2頁V和則今年の華道京展には、他分野の若手作家の作品を使うというコーナーがあり、若手華道家が自由に相手を選ぶことになっていたので、私は陶芸の森野彰人氏にお願いした。森野氏は今まで控掛けオブジェを主に京都以外の場所で発表してこられ、私が花をいけたの車、の最新作の一つだ。正面からはアフリカ原住民のもっ合わせたようにも見える。そして横から見ると全体は船形で、船の甲板にあたるところが正面となり緩やかなふくらみがある。全体の中央で電線の碍子のようなものが上下を繋いでいる。全長1m均価。特別につくった柱に掛けるとかなりの迫力がある。全体は鮮やかな青色で、その下地の色彩が無数の刻印で浮き上がり、色と装飾性と全体の形が、細な美しさを生んでいる。楯には剣。弦楽器には弓があってこそ美しい音が出る。彼のオブジェには・:棲だな。と思った。右上方よ内左下へ本棋を絡ませたい。それには枝を急角度に携めて上方の柱の中の仕掛の水につけなければならない。桜の枝に手を加えすぎ一種独特の繊ると花の咲き方に力がなくなる。なんとか願いが通じて咲いてくれたが、多くのことを考えさせられた又とない器との出会いに感謝している。花材本棲花器壁掛オブジェ森野彰人作第日回華道京展仙渓出品作岩と砂磯、からからに乾いたような荒野原では、所々に小さな草しか生えていないように思つが、えてと驚くほど大きい草本類が逗しく生きている。表紙に使った焦茶色の花材はアタップ・フラワーという。南アメリカから輸入されたものだが、産地と形態から与えると、おそらくパイナップル科のプヤ属の草本だろう。プヤ店内だとすると、その仲間にはプヤ・ライモンティ!とい、?一品さ十灯、茎の太さが六卜勺ほどにもなる巨大な植物もいる。数卜年がかりで栄養を落、えながら十れほどに成長し、成長しきったところで花を咲かせて枯死する。使ったアタップ・フラワーは花茎の部分(これ)に紫をつけている茎の高さを加えると、多分二・五れぐらいになるのだろう。今年の華道京展は、花席の幅、奥行ともに六十村ンしかなかった。これのアタップ・フラワーをこの花席におさめるには上から吊るすのが最適と考えて炎のようなグロリオlサをとり合わせ、それに似合、ユ化器を選んだ。花材アタップ・フラワーグロリオlサミリオクラダス花器荒野の草花〈表紙の花〉黒地紅渦巻文一層盟て楯のような、またバイオリンを2つた2

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