テキスト2000
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すりがちすしかいれある開花の促成〈け頁の花花材小手強蕗の葉切花として冬の聞から売られている小手盤は、雪柳と同じように純白で美しい。だが庭に植えられている小手強が自然開花期になって咲いても、花弁自体は白いのだが専や直が茶色っぽいので、一つの球花は淡茶色がかったように見、えてしま、っ。自然開花したものより、促成開花させたものの方が美しく見えることもある。どちらをとるべきかは自分の好みによるが爽やかな白さを求めるなら、やはり純白種がいい。作例は、その白さを求めて紫色のクレマチスをとり合わせてみた盛花である。花器は磨硝子の浅いコンポートで剣山は目立たないように小さなものを使い、小手越を前後左右のつり合いをとって挿している。クレマチスは茎の切口が水につかる長さだけにして浮かべるように置いている。右の二輪のクレマチスに対して、左側には蕗の葉を浮かべている。そろそろむし暑くなってくる五月には、新鮮な果物を飾るような気持で、こんなあっさりした花をかざってみると気持良い部屋になる。クレマチス花器磨硝子コンポートTV モナコのレlニエ大公は、誰かがテレビのスイッチを押す左自分の書斎に行ってしまうそうである。私は彼ほどテレビを馬鹿にしているわけではない。私の知らない世界の風物を見せてくれるような番組には興味をひかれるのだが期待を裏切られることが多い。先日。塩分が強すぎて周囲では花が育たないと思われているイスラエルの「死海」。そんなところにでも何年かに一摩天しい花畑が現出するというNHKの予告なので見始めた。だがその日玉の筈の死海の治芹のお花畑の画面は出てこなかった。期待させておきながらこれでは非道い。日本で作られる番組にはこんなものが多いようである。テレビから何かを学べなくてもよい。せめて仕事の疲れやすめになるよ、つな番組があればと思っ。私もあまり期待しないで書斎での時間を長くした方がよさそうである。花材として利用し得る植物の種類も先代専渓の生花〈ロ頁の生花園V「桑原専慶流挿花図鑑」より十二頁の牡丹の彩色木版画は、先代の遺してくれた多くの生花図の中で、とくに好きなうちの一つである。たのが「立花時勢粧」である。牡汁については各流派に様々な伝承があるが初代冨春軒は、「立花時勢粧」の中で、次のように述べている。を熟知しているだけでなく、当時の1レ。牡丹は花王と云名を貴び、高位高官の御方にて宗匠の外門弟の指ことをゆるさず。古代は花大切なる敵本を残して茎より切、筒(尋街)に入、胴にも用ちていう請け副そえにっ不かわ遣ず。誠に立花の道理さも有べきことなりるは、世上沢山にて時相応なるべと記して第三巻で自分同身(宗匠)ではなく、桑原次郎具衛に牡丹を真、正L、請と大きく立てさせている。当時(十七世紀)日本では一北旦削とくらべて園芸が飛躍的に発展し、量も多くなり、質も向上していた。そんな背景をしっかりおさえ、又その時代から変わりはじめた民衆の生活意識も感じとり、立花に対しての深い造詣を基盤にして編へん纂さんされ花材に関しては各項ともに簡潔に述べられているが正確な知識、生態ほかさすれ然ども近代、心(RG請副に用ゆ11 V

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