テキスト2000
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第三種郵便物認可桑原市守慶流いけばなテキスト柑号2000年4月1日発行(毎月1同1日発行)桑原市守慶流家元発行定価五OO円先代専渓の生花「桑原専慶流挿花図鑑」より先代の生花も、この図鑑を出した頃と晩年ではかなり感じが変わっている。この杜若(燕子花)図を見ると、かなり多くの葉株の中から気に入った葉を一枚一枝よ均すぐって選び出し、それらの葉を丹念に組み合わせていったものであることがよくわかる。絵は春の註布として、花は葉より低く、真に開花一輪、花色の出はじめた苔一輪を副に、まだ背も低く、苔も固い苔は留に。葉組は真で高さをとり、副で右への動き。胴で軽く厚みをつけ、左へなびかせた留で副に対するバランスを与え、控で奥行をとっている。いけ上がりの姿は平凡な云い方だが流麗という言葉が当てはまる。先代が三十オム口に作った「桑原専慶流挿絵図鑑」のと晩年に作った「生花百事」の杜若の生花をくらべると流麗さよ灼毛、任意に手にした杜若のありのままの姿をいとおしんでいけていたように感じる。ときには葉をはずして組み変えずにそのまま挿していることもあった。生花の基本的な奈と幾分かはずれていても、素朴に出生の姿をとらえようとしていたのだろ、っ。子供の時から生け続けてきた人にえられた出生観なのだろう。姦5K−マAゐae持ゆゐ

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