テキスト2000
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よこしわろ、っ。羊歯の葉から長さ三十弓ほどの羊歯には沢山の横簸が入ってい形が面白い。そのせいで羊歯の鮮緑色の水々しさにも美しさと潤いを感じる。そこで三枚ともは葉おも面てを正面に向けて立てるが、三枚のうち右端の一枚のような葉先の変形したものをまじえ、横一列でなく前後をつけて挿すと奥行とともにこの羊歯の並びも単調ではなくなる。このように羊歯を立ててみると、そこにはまとまりのある花がほしい。花がかたまって咲く桜草はいいとり合わせである。一輪づっ咲く花をかためていけてもこの感じは出ないだ小品を、ということで小さい花器を十四・五点出しておいたのだが、援早と羊歯にはこの花器の色がよく合いそうだし、いけやすそ、つを形である。花器の形は鶏卵を縦に半割りにしたような形で左右の長さは二十一句。少し斜向に使っているので丸く見えるが向って左側の角はやや尖っている縁が見える。桜草の濃いピンク。羊歯の緑。花器の黒。その三色には更に色を際立たせる色が必要だが、それには柔かい白が必要である。脱色した海葡萄のオフホワイトをそれにあてた。花材桜うみ草五ど羊う歯海葡萄の脱色葉花器黒色紬卵半割形花器10

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