テキスト2000
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洋花三種NHKラジオ第一「雛祭りの花と料理」のテlマで根子副家元がラジオ出演した。雛祭りの思い出や桃の花の事、熟し寿司や甘酒のつくり方などを混じえての印分の番組でした。(写真は緒方アナウンサーと楼子副家元。阪放送局にて)京都の五条通りの中央分離帯には大きなユーカリの木が多く植わっている。はるか遠いオーストラリアの植物が私達の街の空気をきれいにしてくれている。肌色の樹皮がめりめりとめくれ、捻れながら立っているのを見ると、それがユーカリの特徴とはいえ「ありがとう」と言ってあ暮らしセンスアップ2/お⑧朝HK大八9頁の花〉和則げたくなる。花材としてのユーカリは柔軟な枝の動きを活かすようにしたいが、なかなか難しく、多く入れすぎると灰色がかった緑色がずんぐりと重なってしまう。作例ではアネモネの色を目立たせたいので、ユーカリの枝の線はできるだけ省略して、切りとった小枝をアネモネの足元に挿し加えている。写真では右側に枝が集まって見えるが、実際にはかなり前方にも枝を伸ばしているので、横幅と同じくらいの奥行きがある。そのユーカリの枝の流れに添うように黄色のフリージアを3本申央に立てている。フリージアの葉は水揚げが悪いので、短く使うか、もしくは最初からあてにせず花だけを使っていけた方が長く楽しめる。又、細い枝は切りとってしまった方が花茎の線がすっきりとして美しい。アネモネは菜の花やチューリップと同じように、いけた後で形が変わる。まずいけているうちにびっくりする程大きく開いてくるし、明るい日にはどの花も上へ向いてしまうので、少しずつ茎の長さを変えながら、前方へ倒すようにいける。下方に紫色、上方に赤色と白色がくるように考えた。南アフリカ原産のフリージアと地中海治芹が故郷のアネモネが、色鮮やかに春を告げてくれている。9

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