テキスト2000
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ベい申・ヴみかんくねんぽ第三種郵便物認可桑原専慶流いけばなテキスト州号2000年3月1日発行(毎月1困1日発行)桑原専慶流家元発行定価五OO円大きな実柑橘類の中で文旦も大きいが晩白柚も大きい。ただ大きいだけでなく肌はつるつとしてきめが細かく、つややかなレモン色をしている。置いてみると高さが二十一句で幅は十八句。直径二十四今の黒い鉢に入れるとチューリップの茎ぐらいしか挿しこめない。柑橘類の中で日本に原生していたのは橘と沖縄のシィクワシャーだけで、現在私達の食べている柑橘類はすべて渡来品種である。万葉集や古事記、日本会官記にも柑橘類の話が出ているが、それがどんな種類のものなのかは定説がない。中国や東南アジア諸国との交易が盛んになる鎌倉時代から室町時代になって、やっと蜜柑が渡来する。紀州蜜柑、九年母などで、晩自柚の仲間の文旦は江戸時代初期までに渡来しているそうである。晩白柚は一九二O年にヴェトナムから穂木(一、二年の若枝)が導入され、熊本県の特産品となっている。実だけを飾っておいても香りはいいし、その上ゆったりふくらんだ実を眺めていると、こちらの気分もくつろぐ。作例ではチューリップをそえているが、実際には色々な花をそえてひと月以上飾っておいた。花材晩白柚チューリップ花器山色粕陶鉢ぷんたんぱん

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