テキスト2000
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〈だものかぼちゃ(第三種郵便物認可1985年日月お日)桑原専慶流いけばなテキスト叫号2000年日月1日発行(毎月1回1日発行)桑原専慶流家元発行定価五OO円しんち・うくらシンプルな美しさ実りの秋、収穫の季節。葡萄、林檎、梨、柿などの果物や南瓜などの生物は、お盆や大きめの皿に盛って置くだけでも目を楽しませてくれる。「花のかけ橋」いけばな展に秋の実りに感謝の気持ちを込めて少し変わったいけばなを出品した。南瓜は南アメリカ原産だが、最初に日本に来たのがカンボジアからだったのでカボチャと名づけられた。直径ω匂のお化南瓜は1人では持ち上げるのがやっとで、2人がかりでないと運べないほど重い。よくまあこんな立派に育つものである。ただし自分の重みで地面の側は平らになっている。この大地の恵みにインドで買った牛を載せ、牛の背中に榔fの皮を背負わせて、更に緑爽やかなマスカットを2房載せて、その後に赤紫のミニの胡蝶蘭を根っきのまま置いた。真鎗で牛の鞍をこしらえるのが大変だったが、この牛をなんとか生かそうと考えた末に、シンプルに花材と組み合わせることを心がけた。収穫のために働いた牛に感謝して牛を飾り付ける風習が今も各地で残っている。私の牛も誇らしげに大地に足を踏みしめてくれていた。花材お化南瓜マスカットミニ胡蝶蘭花器収穫祭の牛(インド、金属製)榔子の皮和則

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