テキスト2000
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やしようぴすずなすずばらりんごあんずす66ばら欝識の実菩薮科の植物には見て美しく、食べておいしいものが多い。梅、桃、梨、林檎、杏、李、+母もその中に入る。だがこの科を代表する茸識の実はいけばなに使われる以外あまり知られていない。大きさ七、八ミリの野茨の実は、野草援という名で。作例に用いたのは小輪種の蔓菩薮の実で、花屋では「鈴蓄薮」と名付けられている。多盆夫が鈴生りにつくのでそうよばれるようになったのだと思うが、十五かで美しい。そして太くしっかりした軸は大きく湾曲しているので形としては柔軟な感じがする。この作例には大きい鶏頭をとり合わせているが、季節の秋草一般の他に、この鈴蔀薮の色が映えるような暗赤色の蕃破、オレンジ色、黄色、ピンク、白い蕃杭慨をいけ合わせてもいい配色のいけばなができる。この盛花では湾曲した軸の線を上向きに使っているが、投入の場合は反対に枝先を斜下向きにいけた方が自然で安定がいい。或は者亙に使えばいけばな展に出せる中作程度の見映えのする一瓶にもなる。花材鈴蓄積花器鶏頭手付銅製コンポート諸附私の読書はいわば活字中毒のようなもので、稽古場でも手持無沙汰な時は、花屑を包んで捨てるために置いてある古新聞を拾い読みしている。それに読む本の種類は雑多だが、本棚を見ると、論文に近い研究書と、あとは推理小説ばかりで、その中間の読み物が見当たらない。研究書的な本が必ずしも上で、推理小説が下位に属する訳でもないのだろうが、どこか変な傾向である。推理小説でもアメリカのものが多数で、あとはイギリス、フランスのが少しある。アメリカ物は推理小説というより犯罪小説とよんだ方が正しそ、つである。あまり高級な読物とは云えないと思うが、そこに出てくる善人や悪人の喋っていることや行動、そしてその基準になっている物の考え方を読んでいて感じる日本人との発想の差が大変面白い。その上ニューヨークやボストン、サンフランシスコや名も知らなかった街の有様が克明に描かれている。上っ面を撫でただけのよ、?な旅行記を読んでいるよ均すっといいし、そこに行ってみたくなる。そして行ってみると描かれているとおりの街の件い固にい鯛本れにるくこたとびがれあるると犯。クラ罪イム小ノベ説ル。犯罪小説に飽きると中東史の本。生涯その繰り返しで終りそうである。7 ミリほどの楕円形の実の朱色は華や

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