テキスト2000
126/145

わいせいしゅひまわり咲き残る枯れ残る紫陽花は酸性土壌では赤系、アルカリ性土壌では青系の花(正しくは苗す)が咲く。このメカニズムは植物の本に出ているので理解している。だが作例のよ、つに赤褐色の他に銀色がかった青、或は紫。褐色、茶色、淡茶色、くすんだ緑色がまじったりするのは苗互円の細胞がどうい、っ変化を起しているのだろう。その多様性と色の深みのお蔭でとり合わせられる花材の範囲が広い。この頁では大輪のコスモスととり合わせた。このコスモスは切花ではなく、鉢植のを使っている。一鉢に十本ほどが植えられていて、茎の高さは三十五村ンほどしかない媛生種だが、花は普通のコスモスより大きく花径は七、八でもある。しかも糸状の葉はよくしまっていて短いので扱いやすい。最近は秋から冬にかけて気温が上がっているので秋の花が初冬まで咲き残り、落葉の時丞もおそくなっているようである。このコスモスも庭で日当たりのよい場所に置いているので十月下旬にもまだ咲き続けている。おそがけの残り事という意味で十一月号にとり上げてみた。花材枯紫陽花花器コスモス白色柏万形盛花器お母さんが忙しいときはぼくが部屋に花をいけます健一郎(次女はなの長男)はよく稽古場に上がってくる。そして私達のしていることを真面目な顔で眺めている。たまに素子が花を渡して『このお花いけてみる、」と云ってやると喜んで「これでいい、もっと切る、』とか聞きながらいける。だがまだいけるとい、ネ奴階ではなく、ただ二本か三本の花を剣山の上に立てるだけなのだが私達は大変嬉しいのである。右の写真は自分でいけた二本の向日葵がよほど気に入ったのだろう。棲子に写真にとっておいてほしいと頼んだらしい。花を優しく、そしてしっかり見つめる子に育ってほしい。八月二十一日三才十ヶ月。4

元のページ  ../index.html#126

このブックを見る