テキスト2000
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がまずみうつぎむしかり紫あじ陽さ花いのようにかたまって咲くが、かまっちやつりぐさ爽速が大辞林の「がまずみ」の項をひくと「英速一と記されている。北失速属は秋に赤い実のできる落葉侭示で日本だけでなく、中国、朝鮮にも分布している。日本では昔、英遂の木の皮で薪を束ねたり、鎌や槌の柄、枝葉を煎じて布を柿色に染めるのに使っていた。従って各地の人家の近くに植えられ地方によって様々な々型削でよばれている。私達は爽遂ーがまずみーとよんでいるが関東の田舎では「ょっずみ」、中園地方では「かめがら」その他異称が多い。分類としては忍冬科の英遂属の木なので空木や虫狩など、いけばなによく使われる花材の親類である。六月頃、五ミリほどの白い花が花材としては十月に実が赤熱した時期が好まれる。作例では鮮かな濃黄色の鍾雄水仙(花屋ではリコリスとよんで洋花扱いしているが日本にも自生している館芹花科・他国芹花属の草花の栽培品種)をとり合わせて実の赤さをひき立て、七竃の紅葉をあしらい、横拡がりの花型を花器の濃緑色で一層鮮かな配色としている。花材泰遥(がまずみ)花器まずみ八表紙の花〉鍾旭水仙(黄花リコリス)七竃紅葉濃緑色粕コンポート九十九髪つくもがみ〈2頁の花〉この花を見て棲子が「わあ、お父さんの頭みたい!」と云った。そんな感じである。太蘭の古名を「つくも」というが太蘭は枯れると白っぽくなる。郡生している所ではそれが老女の白髪のように見、える。九十九才のことを白寿というが、それは百という字の上の一をとると白となる。九十九才、白寿の老女の白い撃とをかけ合わせて古名のくも」に九十九の{子をあてるようになったらしい。太蘭は群生していなければ枯れても白髪のように見えないが、同じ蚊帳吊草科のシペラスだと一本だけでも枯れると白髪のように見、える。この作例に使ったシペラスは鉢植えの生きの良いものを切って水溜めの中で枯れさせたものなので色よく枯れて房もあまり乱れていない。この枯シペラスにはどんな色の花でも令っと思つが、作例では真赤で艶々した騰の爪(唐辛子)をとりいろ合あいわせた。おだやかな秋草らしい色相の花をとり合わせたのでは淋しい花になったかもしれない。足もとをかためる緑にはアンスリュlムの葉。花器は濃紺のボウル鉢を使った。花材枯シペラス鷹の爪(赤唐辛子)アンスリュlムの葉花器濃紺彩ボウル鉢「つ2

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