テキスト2000
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生り物j。今月のテキストは秋の花材として葡萄〈表紙の花〉生り物Hなりもの。いけばなでは実物と書いて(みもの)と読んでいるが、一般には実物と書かれていると(じつぶつ)と読むことが多い。生打物とは、果実(フルーツ)の生る木だけでなく田畑からの収穫物も含まれているので、柿や栗と、うも葡ろ萄こしのような果樹の実、それに玉萄黍や松の実も入る。用語として、どちらを使っても差支えはないのだが、いけばなとしては生り物の方が感じがいいように思葡萄、芭蕉(、バナナ)、苦革、アメリカ山牛芳、栗の五種を使っている。岡山から送って頂いたマスカット・オプ・アレキサンドリア。口事同級品種だが、とくに日本ではご房づっ至れり尺ミせりに育てられるので、こんなに大粒で味が良くて美しい葡萄は他の国では作られていないのではないかと思う。農作物というよりも工芸品に近い。だからこそ、食べるまでにいけて眺めたいという気持にもなるのだろう。又有難いことに切りたてのを送って下さるので翌日には新鮮なままいけることができる。房の軸もしっかりしていて実が落ちない。庭の柏葉紫陽花を切ってとり合わλ2

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