テキスト2000
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エ冷1nHRnHMけHリせいか万年青十三葉一果花型行型花器淡青色柏水盤万年生円はお正月には若松の生花とともになくてはならない花材で、生存期間が永く三卜年に及ぶものがあるといわれ、古来、祝儀の席の花としていけられている。万年汗の生花は枚数によって実の置きどころが変わるが、それにともなって実を露や寒風から守るための葉の扱いも変化する。ようするにその山生(発生の状態とその伺性)を生花の花形にあらわすことが基礎的な理念となっていて、一作の万年青の生花を土にある自然の一株と見なしていける。私のお弟子さんの中でも万年青の生花の好きな人が多い。古くは貴重な花材であっただろうが、現在大型品種に限れば徳島県の相あい生おい町などで正月用の切り花として大量に生産、出荷されるおかげで、毎年多くの人に万年生同をいけてもらうことができる。葉の一枚一枚を大切に想つこと、「小笠又葉」や「風開い」などの葉につけられた名前から、先人の自然を見つめる日差を感じることなどの話をしながら教えていると、初めての人でも何となく風格のある姿になっている。是非とも万年青の生花から、いけばなの中に連綿と継承されてきた「美」と「心」をつかみとっていただきたい。そのためには机上の一人よがりにならず、名人のいける花に学び、できれば山奥に自生地を訪ね歩いて本当の自然を見に行く謙虚さを忘れないようにしたい。これは分への戒めでもある。(流し業)留6

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