テキスト1999
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ざるにお住まいの西村さんのお庭に生ったのを頂いた。早速素子が紅花の大文字草と、縁が少し紅葉した肝木をとり合わせて食車に飾っていたのを借りて、この頁におさめてみた。花材柚子紅花大文字草肝木照り葉花器焦型陶皿薄茶碗菊二色花型草型副流し花器淡青紬花瓶十一月の上旬、多い日には十種類以上秋を代表して並んでいた気品のある菊も月末になると姿を消して行く。作例にいけた淡黄色の糸菊は遅咲きの品種なのだろう。良い花をつける菊は一般に茎が細くて葉が少なくて弱々しい。この糸菊も茎は細かったが葉付きはいい方である。副流しにいけたのだが、この副は捷めて形作ったのではなく、花の重みでできた形である。白の小菊をそえた私の晩秋の楽しみの一瓶である。〈5頁の生花〉5

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