テキスト1998
86/143

ひまわりなるこあけび真夏色の向日葵〈表紙の花〉アメリカ北西部が故郷の向日葵は、大陸の古代原住民族の南下にともなって旅を続け、南米大陸にも拡がって行った。そして凶世紀になって、南米に侵入したヨーロッパ人が故同に持ち蹄ってから世界中に根を下ろすようになった。始めて向日葵を見たヨーロッパ人は、その大きな美しさに驚いて、各地で栽培されるようになった。向的が釣った魚の自慢をするように「私の庭では高さが、も伝えられている。最初のうちは珍らしさから盛んに栽培されたが、そのうち花壇の他の花との調和がとれないので、あまり植えられず、食用油採集用の畑作物になってしま品う。日本にも口世紀後半に渡来しているが、その時代のいけばなにはあまり使われてこなかったようである。盛夏の太陽を象徴する向日葵の来歴の一部を述べてみたが、夏の問に必ず一度はいけてみたい花である。花材向日葵アスパラガス花器瑠璃色粕花瓶夏の花は軽く〈羽をひろげたおが、踊っているような感じのする投入である。二輪のアンスリュlムと、四本のはω仰の向日葵が咲いた」という話4m、花の大きさ2頁上の花〉鳴子百合というシンプルなとりムロわせで、鳴子斤合が左右にひろがっているので軽く浮き上がるように見えるのだろう。そしてドーナツツ型の花持がその感じを強めている。この形の器は古くからあって、古代ロlマガラスの香油瓶にも美しいものがある。季節を問わない花器だが、花材の種類を絞り、風通しよく、のびのびいけると夏向きの花型となる。花材アンスリュlム鳴子百合化器ドーナツツ瑚陶花瓶3頁上の花V冬の問忘れていた、地植えの矢卓草が立派な葉をひろげ、鉢植のクレマチスが常をつけた。著義の葉も、花が終って新しい柴が勢いよく仲びた。私の家の庭の点景のような盛花である。矢車菊のことを、よく間違えて矢車草とよんでいるが、矢車菊は菊科、矢車草は雪の下科で作例のような五枚葉を広げ、六、七月頃大きい円錐形に、小さな花がかたまって咲く。花材クレマチス矢車草著我の柴花器手付木通能家の庭から、〈お2

元のページ  ../index.html#86

このブックを見る