テキスト1998
8/143

ばくぞ木瓜苔枝椿花型内副流し(木添え)花器金保褐色糊深鉢この生花は「木添え」の手法を応用している。「木添え」というのは立花で考、えられた技術だが先代もよく使っていた。木添えには同種、或はそれによく似た木肌の大枝や幹、晒木、苔木等の後から主材の枝をのぞかせる手法である。以前よく苔のまわった木瓜で立花の大作をいけたことがあった。その木瓜に着生していた苔は「梅の木苔」で梅に限らず松、柿、桜、杏などにも着生するので作例の木瓜にも梅の苔枝を木添えとして使ってみた。いけ方としては先づ木瓜の枝ぶりをよく見てから苔木を組み上げる。しっかり又配りに留まるようにするが後の方に添わせる木瓜の挿し口をあけておく。木瓜は苔枝の形にきっちり合わせ適当な所から花を前後にふり分けてのぞかせる。花数は多くない方主義との対照が美しくなる。内副総図4

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る