テキスト1998
76/143

もくせいまふといひ的怠い季節である。暫らく見とれているうちに、冬になったらこの庭の景観は一体どうなるのかな、という疑問がおきてきた。ム・ペリデイフォリュlム、リモニそのままだと秋口には枯草に固まれた佐しい風景に変ってしまいそうである。そうならないように何か他の花に植え替えて行くのだろうが、私の家の庭とくらべるとおそろしく手間がかかりそ、つである。京都の町家の中庭に植えられているのは主として松や整守の常緑針葉樹と椿や木犀等の常緑昭H業樹で草花は僅かなあしらいに過ぎない。華やかさは少ないかもしれないが仕事に倦んだとき目をやすめ、心をくつろがせる季節を問わない変らぬ緑の庭である。華やかな季節のヨーロッパ式ガーデンと、落ちついた京都の庭と両方持てればそれにこしたことはないが、私には華やかさは作例の盛花で充分間に合っている。花材オクロレウカ花器磯松とい、?と浪花節に出てくる人の々宣削のように聞こえるが、磯松属は洋名でリモニューム属である。この属には以前スタlチスとよばれていたリモニューム・シヌアツム、磯松科磯松属〈4頁の花〉だんつくもし紫陽花段九十九(縞太蘭)灰白色紬水盤最近では学名通りリモニュームとよぶようになってきたが、他にカスピアとい、フ名で通っているリモニューューム・ペレツイイ、先月号で使ったリモニューム・スウォロウィl等よく売られている品種以外の園芸品種はかなり多い。作例に用いたのは以前スタlチスとよばれていたリモニューム・シヌアツムである。花色はピンク系、紫系、黄色系等があって何色かを混色して使うことがよくある。だが茎の形に面白みがないので束ねて色のかたまりとして使って他にとり合わせた花との色を対照させるのによい花材である。クツカパラは学名をフィロデンドロン・フィッツカパラで里芋科の観葉植物である。モンステラやセロlムほど大きくなど業面の長さが大体加叩ぐらいに揃っているので花型の計算が立てやすい。作例はアンスリュlムを主材にして低く小さくまとめた飾り花で、洋間の飾り棚や食卓の一方の端に置けるようにいけてみた。花材アンスリュlムリモニューム・シヌアツム(旧名スタlチス)クッカパラ花器無色透明ガラス鉢4

元のページ  ../index.html#76

このブックを見る