テキスト1998
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ζぷちちが申インドの午和則南インドの東海芹を旅すると、ひときわ背の高いパルミラ榔子と足元に広がる稲田ののどかな風景に出会う。旅の疲れを忘れ日本の田舎にいるような気持ちになったことがある。雨期が秋にやってくるこの地方では、1月中ごろ収穫祭が行われる。その際、農作業で世話になっている牛の身体を池や川で念入りに洗ってやり、牛の角に化粧をし、マリlゴールドの花輪をかけて労をねぎらう。インドでは収穫を終えた節目にまず太陽と大地に感謝し、又、固い大地を耕す労働と命の糧となる乳を提供してくれる牛に対しても、感謝の気持を一不すことを忘れない。また収穫祭にはその年に穫れた新米を黒砂糖と牛乳で炊いた乳粥(ポンガル)を神様に供え、おさがりをいただくのだが、これを牛に食べさせるところもあるらしい。インドで買った牛の置物にも、背中の大きな癌にまで美しい飾りが付けられている。この牛に花飾りをしてやりたくなって、美しい模様のあるレックス・ベゴニアを赤いガラス盃にいけ、牛の背中に載せてみた。レックス・ベゴニアはインド原産のベゴニア・レックスをもとにして生まれた園芸品種である。インドの地を焦がす大腸の化身のようだ。花材レックス・ベゴニア花器深紅ガラス盃インドの牛3

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