テキスト1998
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種郵使物認可桑原市守慶流いけばなテキスト制号1998年5月1日発行(十母月1自1臼発行)桑原専慶流家元発行定価五OO円初節句昨年初孫の健郎に「金太郎」を民ってやった。背の高さがお仰ぐらいで良い顔の表情で衣裳も中々のものである。素子もこれは素晴らしいと云うことで迷わず注文して刷くのを待ち兼ねて二階の床の間に飾りつけ、健一郎に見せてやった。ところが見た途端に泣き出したのである。結局のところ、その金太郎で喜んだのは私達二人だけだったらしい。今年は健一郎の弟順之助が生まれた。ム「昨民私達の欲しいのは鍾雄さんの人形である。だがよく考、えてみるまでもなく、金太郎さんと、もっと怖い顔の錘越さんを並べたら二人ともヒキツケを起こしてしまうかもしれない。そこで素子はこれぐらいなら子供は喜んで見てくれるかもしれないと考えていけたのがこの花古浦の花である。縫いぐるみの蛸とザリ蟹。水遊びの如雨露に挿した花菖蒲。健一郎がザリ蟹で、順之助が蛸なのかはどちらでもいい。一LJ宇とO才三ヶ月の子供には大人が良い出来と感心する五月人形よりこの方がいい筈である。花菖蒲さえ覚えてくれればそれに越したことはない。そしてこれは、お組りちゃま素子大先生の節句のプレゼントなのである。

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