テキスト1998
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しろも〈れん白木蓮花型行の草型花器紅色糊深鉢白木蓮は春を彩る花木のうちで一番堂々とした咲き方の木である。仲間の紫木蓮も共に原産地は中国だが、かなり古い時代に渡来した。他に北アメリカが原産地の黄木蓮、ヒマラヤ原産のマグノリア・キャンベリl、園芸品種も多少あるが種類は桜や椿とくらべるとずっと少ない。いけばなに普通一般に用いられているのは白木蓮の若木のうちの上に長くのび上がった楚のような枝なので生花にいけでもあまり面白味がない。老木になると枝が短かくつまってそこに花が咲くので花付きが多く見えるようになる。その上大輪の花なので見上げるような老大木の満開時の偉容は他の春の花木を圧倒するように咲き誇っている。生花の花材としては火携めで少し曲げられる程度なので枝ぶりを充分に見きわめて枝どりにかかる。作例は老木を使った上級向の一瓶である。6

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